まちカフェでは

「日光 天然の氷 四代目徳次郎」

を使用したかき氷を販売しています。
天然氷のかき氷は「もちもちフワフワ」の特別な食感。


「天然氷とは??」
この様に冷凍庫も使わず自然の寒さで凍らした氷です。

天然氷の業者は全国5軒あるとされ、長野県や埼玉県に各1軒、日光市に3軒。

日光の天然氷の魅力は

「日光天然氷は2週間かけてゆっくりと作るから氷の分子の間が狭い。
だから、溶けるのもゆっくり」
「ミネラルが多くなめると甘い。透明度も高い」
などなど・・・。

究極のスローフードです。。。
「日光 天然の氷 四代目徳次郎」ブランド

旧日光市で三代目の吉新良次氏が高齢の為、
2006年の製造で終止符を打とうとしていた
天然氷製造・販売業の吉新氷室(三代目)を、
天然氷という民族文化また食文化が継承されないことを憂いた、
山本雄一郎氏(日光市所野)とその仲間達で継承し
製造した天然氷の、ブランド名です。



「天然氷が出来るまで」
こちらが氷池。ここに貯めた水が冬の寒波で氷が張ります。
氷が張り出す季節は同時に雪との闘い。
放っておくと雪は氷に張り付いてしまい氷の商品価値は
極端に低下させるばかりか、保温効果がある為、
氷の厚み増すことを妨げてしまいます。
氷の出来を見て時には割ってしまって新しく作り直す事も・・・。
厚さが約15cmになるといよいよ切り出し。
綺麗に清掃された氷にカッターを入れる線を引きます。
動力カッターによる切り出し。
記念すべきシーズン初の氷の引き上げ一枚目。
ど〜ですか!?この美しい氷。
一枚約40キロの氷をお手伝いに来た皆さんが
レールの上を滑らして貯蔵庫である氷室へと運びます。
氷室に整然と並べられる氷。
シーズン中2回の切り出し作業で氷室の中に
高々と積み上げられます。

2011年の切り出し作業にまちカフェも参加してきました。
蔵方と言われる氷を氷室に積み上げる作業でした。
一週間ほど筋肉痛だったのはいうまでもありません。。。
実は氷室っていうのはただの木造の小屋。
冷凍庫も使わず夏のシーズンまで保管が可能なのは
こちらの日光杉のおがくず。
氷の水分がおがくずから蒸発する際にグ〜っと温度を下げてくれます。
CO2ゼロの保管術。まさに先人の知恵です。
氷に入っている気泡は、木の年輪のように
日々の寒暖の差により出来る機械氷には無い天然氷の証!
これが、硬さと粘りのある氷の証!!

地球温暖化や水質汚染などの環境問題に密接に関係している天然氷。
まちカフェで天然氷のかき氷を食べながら
地球に想いを馳せるのもいいのではないでしょうか??
四代目、氷屋徳次郎さんのブログ(ざぶん賞の講演)より

天然の氷は平安時代よりある、歴史的民族文化です。
冬の寒さで凍らせた氷を、氷室と言う自然の冷凍庫で一年中保存します。
当時は大変に貴重なもので、皇族や貴族だけに許されるものでした。かの清少納言も「枕草子」で、上品なもの、雅なものと、天然の氷を紹介しています。

それから時代は流れて明治時代より、庶民の間にも普及していきました。
そして、昭和30年代に入り、電気冷蔵庫、冷凍庫が登場します。
高度成長期、人々が豊かになり、あらゆることが、どんどん便利になっていきました。そんな時代の流れの中に消えていったものが、沢山ありました。その中にあったものたち全てが、現代に不要なものだったでしょうか?

そんな消え入りそうなものの中のひとつに、「天然の氷」があります。
現在、天然の氷は全国にわずか5軒しかありません。
そのうち3軒が、栃木県にあります。
そして、一度消えかけた1件が旧日光市にある、
私「四代目 徳次郎」の天然の氷です。

平成18年にこの氷室の存続を断念しようとした三代目に、歴史的民族文化でもある氷室を「是非残したい」と頼み込み、私四代目と私の仲間達とで、この氷室の継承が実現しました。
初代 徳次郎さんから名前をいただき、伝統を受け継ぐ重さと共に「四代目 徳次郎」は誕生しました。

〜背景に氷室の修繕作業風景〜

まずは、壊れた氷室の修理です。
老朽化した氷室を仲間達に助けられながら、蘇えらせました。
三代目のアドバイスの元に、平成19年には試験的に氷をつくり、平成20年には商品になる氷の製造に成功しました。
実際の作業を少しご覧下さい。

〜ここでDVD〜


私たち「四代目 徳次郎」の氷室は世界文化遺産に登録された「日光の社寺」のほど近くにあります。
採氷池や氷室は一日中、陽の当たらない場所が適しています。

山肌から染み出る清水を導水管で氷池まで引き込み、寒期の到来を予測して氷を造り始めます。しかし、氷が厚くなるのをただ待てばいいわけではありません。

氷の上に乗れるようになると雪を撒き、箒で掃くことによって、ゴミや埃を取り除きます。

雪を撒くのはそこにゴミや埃を含ませて、取りやすくするためです。
この作業は、毎日行ないます。
風が強い日には、一日中この作業を繰り返します。

この作業と並行して、切り出した氷を氷室まで滑らせるレールを作ります。
山奥から竹を切り出し、それを運んで手作業でレールを作ります。
前の年の氷を使い、実際滑らせ、何度も微調整します。
レールは毎年、新たに造ります。

雪が降ると全員総出で雪掻きをします。
雪は氷造りの大敵なのです。

自然を相手に仕事をしていると、地球温暖化というものを肌で感じることがあります。以前は考えられなかった真冬の雨・・・湿気を含んだ雪。
一度張らせた氷を割って、一からやり直さなくてはなりません。

氷の厚さが15cm前後が切り出しの目安になります。
氷に乗れる厚さにならなくてはいけないが、厚すぎてもカッターの刃が届かなくなります。

切り出しの前に氷の上に切り出すサイズの線を罫書きます。
機械の刃が入らない端の部分は人力で切ります。

切り出しには、氷を切る役、切られた氷を引き上げる場所まで誘導する役、ラインに乗せられ氷室に向う氷を手鉤で止めたり氷室に流したりする役、そして氷室の中で氷を整然と積み上げる役などがあります。
切り出した氷の重さは一枚40キロくらいです。
氷は氷室の天井に届くまでに積み上げられます。
その氷たちは、氷室の中で大鋸屑(オガクズ)に包まれて出荷の日を待ちます。これは、オガクズが溶け出す氷の水分を吸い取り、空気中に蒸発させて熱を逃がすことから、真夏でも氷が溶けにくくなるからです。
先人の知恵はすごいとしか言いようがありません。
そして、これを、次の世代へと残すことが私の大切な仕事です。

豊かな森、そしてそこから染み出す清浄な水、これらが「天然の氷」造りに不可欠なものであることは、言うまでもありません。

私はこの先もずっと、仲間達と氷造りを続けて行きたいと思っています。
今時、時代遅れな事をと思われる方もいるかもしれない。
それでも、時代に逆らってでも、私は残したい。子供たちに。
この会場にも沢山の方がいらっしゃいますが、私も貴方達も、皆だれかの子供です。

皆さん、水について考え、文をつくり、又感じることがあったでしょう。
そのことが、どんな賞より素晴らしい。
私は、皆さんの作品のひとつひとつを読んで、未来は明るいかもしれないとおもいました。
なんとしても、そこまでつなげたい、
つなげて欲しいという思いでいます。
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